薄毛対策の最終兵器「植毛」
薄毛を今すぐどうにかしたい人には「植毛」
薄毛の改善には、プロペシアであろうと、ザガーロであろうとその他育毛剤、薄毛対策商品を駆使してもどうしても時間が必要になります。
しかも「必ず改善する」という保証は一切無く、あなたにあった育毛方法を探し続ける時間だって必要になります。
僕だって、自分に合う育毛剤に出会うまでは色んな育毛剤を使い続けました。
そのリスクを一切とりたくない。一気に髪を増やしたい。そう思うのも当然のことです。
そこで薄毛対策の最終兵器「植毛」が選択肢の1つになります。
意外と歴史のある植毛
植毛と言えば、最近の技術のように僕は思っていたのですが、その歴史は意外と古く1960年代にアメリカ人医師のN・オーレントライヒが発表した「パンチグラフト法」という植毛術が世界中に普及しました。
しかし、このパンチグラフト法を最初に考え出したのは、日本人医師の奥田庄二郎氏だったということが世界に広まりました。
火傷で髪を失った患者の頭にもう一度髪を蘇らせるということで手術し、論文を発表したのが1939年のことです。
かれこれ80年も前に「植毛」の技術はあったのです。
植毛するのは「人工毛」ではありません
僕も勘違いしていたのですが、植毛する髪は「自毛」が基本となります。
人工毛は頭皮に炎症を起こしたり、異物性肉芽腫という硬い瘢痕ができるおそれがあり、アメリカではすでに人工毛を使った植毛は禁止されています。
現在の植毛手術は自毛植毛によるもので、脱毛しにくい後頭部や側頭部の自毛を皮膚ごと移植します。
植毛手術の3つの方法
植毛手術は大きく分けて次の3つの方法に分かれます。
- 皮弁法(フラップ法)
- 縮小術(スカルプリダクション)
- 遊離移植法
それではそれぞれの植毛方法を見ていきます。
皮弁法(フラップ法)
70年代に開発された皮弁法は、側頭部と後頭部の皮づを4cm×25cm程長方形に切り取ります。この切り取った皮膚を薄毛の部分に移植します。
この際、全て切り取らず一辺を残すのが特徴で、これは動脈、静脈も一緒に移植し、血流を確保するためです。
この皮弁法は90年代まで改良を重ねて行われてきましたが、移植する面積が大きいため、血液がうまく行き渡らず壊死するリスクがあり、技術的にもかなり高度な手術ですので今ではほとんど行われていません。
縮小術(スカルプリダクション)
薄毛の部分をカットし、その周囲の髪が生えている皮膚を寄せて縫い合わせることで、薄毛の部分を少なく見せる方法です。
縮小術も面積が広く、かつ数カ所同じように手術する必要もあり、傷痕が目立ちやすいという難点があるため、こちらの手術法も今ではあまり行われいません。
遊離移植法
パンチグラフト法や、マイクログラフト法など後頭部や側頭部などの毛の残っている皮膚ごと移植する方法を遊離移植法といいます。
簡単に言いますと、パンチで穴を開けるように円錐状にくり貫いた皮膚を移植します。
髪は1〜3この毛包が1群となっています。遊離移植法(毛包単位移植術)では、まず後頭部などから切り出した頭皮を、顕微鏡を使ってさらに毛包単位に分けていきます。
生え際には一本毛、頭頂部に近いところは三本毛を移植していきます。
移植された頭皮は、なんと90%も定着します。ほとんどの移植先から髪が生えてくるということですね。
植毛手術により移植された髪は抜け落ちる
しかし、移植した髪が残るのは10%程度です。他の髪は1度抜け落ちて休止期に入ります。
移植した箇所から新たに髪が生えてくるのは半年ほど先になります。
植毛された髪は生え続ける
この植毛手術の特徴は、「もともとの性質をそのまま受け継ぐ」というものです。「ドナー・ドミナントの法則」と言うのですが、後頭部などにはもともと薄毛の原因となるジヒドロテストステロンの影響を受けません。
その性質をそもまま受け継いでいるので、後頭部の髪が最後まで残り続けるように、移植された髪も生え続けるわけです。
植毛の2つのデメリット
良いことずくめの植毛ですが、2つだけデメリットがあります。それは以下の通りです。
- 植毛した箇所付近の毛が細くなると不自然に見える
- 手術費用が高額
植毛した箇所付近の毛が細くなると不自然に見える
植毛した箇所はいつまでも後頭部に生える髪と同様に硬く太い髪を生やし続けます。しかし、もともと髪が細く抜け出した箇所に移植するので、その周囲の髪は細くなる、または抜けていきます。
そうすると、移植した箇所だけ立派な髪が残り続け不自然になるというわけです。
これを改善するには、再度植毛手術をする必要があります。
手術費用が高額
このあたりはなんとなく想像通りかも知れませんが、手術費用がなんといっても高額です。
美容外科手術で有名な「ルネッサンスクリニック」では、2,000グラフト※の移植手術で1,460,000円ほどの費用が必要になります。
※1グラフトは毛穴の数に相当し、個人差があります。(日本人は1つの毛穴から2本とされています)
しかしこれが他の育毛方法と比べ高額かというとそういうわけでもありません。プロペシアも月7,000円程度必要なので、年間84,000円。20年続けると1,680,000円となりますので、効果が持続するなら植毛の方が費用対効果がよいとも言えます。
どこのクリニックでも最初のカウンセリングは無料というところが多いので、まずは話を聞いてみるのもいいですよ。